チャーチ・オブ・ゴッド(COG)の神学
■宗教法人「チャーチ・オブ・ゴッド」はどのような神学(信仰)に立っているでしょうか。これに関して「チャーチ・オブ・ゴッド」発行の「聖書教理」第12項に「全き聖潔(ホーリネス)」と明記されています。これを神学的に表現するなら、チャーチ・オブ・ゴッド(COG)はウェスレー的アルミニアン神学の流れの中にあるということができます。
Ⅰ アルミニアン神学とは
■私たちがアルミニアン神学という用語を使うとはき、それはカルビン主義神学と区別するためです。ヤコブ・アルミニウス(1560~1609)という人はオランダの神学者でした。彼は厳格な改革派神学(カルビン神学)のもとに育った人ですが、のちにカルビン主義の二重予定説(ある者は救いに選ばれ、ある者は滅びに定められるとする説)に反対しました。そして「人間の自由意志」を尊重した考えを主張したのです。ですからアルミニウス神学といってもカルビン神学の一部分(予定論)を修正したものであって体系的にはカルビン神学に立っていたことに変わりはありません。 ジョン・ウェスレーも大筋においてカルビン神学を否定していません。しかし、カルビン神学の二重予定の教義では、年来の友人ホイットフィールドと決別してまで神の恵みによる賜物としての信仰による自由意志を強調することでアルミニウス的な考えに立っています。
Ⅱ アルミニウス主義とウェスレー
■それでは、アルミニアン神学とウェスレー神学は同一のものでしょうか。結論から先に云うなら両者の間にはかなりの相違があります。特にウェスレーが強調する恩寵の自由の問題と聖化の考えについて決定的とも云える相違があります。アルミニウスと彼の後継者たち(レモンストランと呼ばれた)はかなり幅広く人間の自由意志の働きを主張しましたが、ウェスレーはそのような自由意志は生来悪に向かってのみ自由なのであって、それ自体では神にいたることは出来ないと理解しました。しかし、すべての人間は「恵みによって回復された自由意志」をもっていると主張します。ウェスレーが強調したのは自由な恩寵、すなわち先行的恩寵としての神の恵みによる意志の自由であって、自然的人間のもつ自由意志ではありませんでした。またアルミニウスは人がこの地上において完全に到達するとは考えていなかったし、当然のこととして転機的経験的聖化については否定的でした。このようにウェスレー神学とアルミニウス神学との間には大きな相違があるといえます。
Ⅲ ウエスレー的アルミニアン神学とは
■それではウェスレー的アルミニアン神学とは何を意味するのでしょうか。云うまでもなくウェ スレー神学の中心的位置を占めるのは「キリスト者の完全」として知られる「聖化(ホーリネス)」の教理です。ウェスレーは聖化を転機的な経験であり、その後も健全に成長する恵みであると理解しました。その最大の特徴は、聖霊の働きの強調でした。したがってウェスレー的アルミニアン神学のうち「キリスト者の完全」に要約される聖化の教理は以下のようにいうことが出来ます。
※ キリスト者の完全とは、罪から全くきよめられ、神と隣人を全く愛することである。
※ この経験は信仰によってのみ獲得される。
※ この経験は瞬間的に与えられる。
※ この経験は生存中、義とされてから死にいたるまでの間に受ける恵みである。
※ この経験は聖霊の内的証しと、聖霊による結実によって確証される。
※ この経験は固定した静的経験ではなく、動的(ダイナミック)であり絶えず成長する経験である。
Ⅳ チャーチ・オブ・ゴッド(COG)の神学
■チャーチ・オブ・ゴッド(COG)はウェスレー的アルミニアン神学の流れに立っているが、これはCOGの創立者であるレイモンド・シェルホン師の内に流れている信仰です。R・シェルホン師はルーテル教会の信仰をもつ家庭に育ちましたが、兵役のため日本に駐屯しているとき、横浜の基地で回心して新生の経験をされました。その頃、シェルホン師に決定的な影響を与えた人が、米国チャーチ・オブ・ゴッドの牧師の息子であるロバート・ウォーマック師でした。彼はシェルホン師に義認に次ぐホーリネスの恵みのあることを教え導いたのです。後年、シェルホン師が学んだ神学校がゴッド・バイブル・スクールというホーリネスを標榜する神学校でした。この神学校は米国のウェスレー的アルミニアン神学の流れに属していました。このような経緯からCOGの神学はウェスレー・アルミニアン神学の中に位置づけることが出来ます。
■宗教法人「チャーチ・オブ・ゴッド」はどのような神学(信仰)に立っているでしょうか。これに関して「チャーチ・オブ・ゴッド」発行の「聖書教理」第12項に「全き聖潔(ホーリネス)」と明記されています。これを神学的に表現するなら、チャーチ・オブ・ゴッド(COG)はウェスレー的アルミニアン神学の流れの中にあるということができます。
Ⅰ アルミニアン神学とは
■私たちがアルミニアン神学という用語を使うとはき、それはカルビン主義神学と区別するためです。ヤコブ・アルミニウス(1560~1609)という人はオランダの神学者でした。彼は厳格な改革派神学(カルビン神学)のもとに育った人ですが、のちにカルビン主義の二重予定説(ある者は救いに選ばれ、ある者は滅びに定められるとする説)に反対しました。そして「人間の自由意志」を尊重した考えを主張したのです。ですからアルミニウス神学といってもカルビン神学の一部分(予定論)を修正したものであって体系的にはカルビン神学に立っていたことに変わりはありません。 ジョン・ウェスレーも大筋においてカルビン神学を否定していません。しかし、カルビン神学の二重予定の教義では、年来の友人ホイットフィールドと決別してまで神の恵みによる賜物としての信仰による自由意志を強調することでアルミニウス的な考えに立っています。
Ⅱ アルミニウス主義とウェスレー
■それでは、アルミニアン神学とウェスレー神学は同一のものでしょうか。結論から先に云うなら両者の間にはかなりの相違があります。特にウェスレーが強調する恩寵の自由の問題と聖化の考えについて決定的とも云える相違があります。アルミニウスと彼の後継者たち(レモンストランと呼ばれた)はかなり幅広く人間の自由意志の働きを主張しましたが、ウェスレーはそのような自由意志は生来悪に向かってのみ自由なのであって、それ自体では神にいたることは出来ないと理解しました。しかし、すべての人間は「恵みによって回復された自由意志」をもっていると主張します。ウェスレーが強調したのは自由な恩寵、すなわち先行的恩寵としての神の恵みによる意志の自由であって、自然的人間のもつ自由意志ではありませんでした。またアルミニウスは人がこの地上において完全に到達するとは考えていなかったし、当然のこととして転機的経験的聖化については否定的でした。このようにウェスレー神学とアルミニウス神学との間には大きな相違があるといえます。
Ⅲ ウエスレー的アルミニアン神学とは
■それではウェスレー的アルミニアン神学とは何を意味するのでしょうか。云うまでもなくウェ スレー神学の中心的位置を占めるのは「キリスト者の完全」として知られる「聖化(ホーリネス)」の教理です。ウェスレーは聖化を転機的な経験であり、その後も健全に成長する恵みであると理解しました。その最大の特徴は、聖霊の働きの強調でした。したがってウェスレー的アルミニアン神学のうち「キリスト者の完全」に要約される聖化の教理は以下のようにいうことが出来ます。
※ キリスト者の完全とは、罪から全くきよめられ、神と隣人を全く愛することである。
※ この経験は信仰によってのみ獲得される。
※ この経験は瞬間的に与えられる。
※ この経験は生存中、義とされてから死にいたるまでの間に受ける恵みである。
※ この経験は聖霊の内的証しと、聖霊による結実によって確証される。
※ この経験は固定した静的経験ではなく、動的(ダイナミック)であり絶えず成長する経験である。
Ⅳ チャーチ・オブ・ゴッド(COG)の神学
■チャーチ・オブ・ゴッド(COG)はウェスレー的アルミニアン神学の流れに立っているが、これはCOGの創立者であるレイモンド・シェルホン師の内に流れている信仰です。R・シェルホン師はルーテル教会の信仰をもつ家庭に育ちましたが、兵役のため日本に駐屯しているとき、横浜の基地で回心して新生の経験をされました。その頃、シェルホン師に決定的な影響を与えた人が、米国チャーチ・オブ・ゴッドの牧師の息子であるロバート・ウォーマック師でした。彼はシェルホン師に義認に次ぐホーリネスの恵みのあることを教え導いたのです。後年、シェルホン師が学んだ神学校がゴッド・バイブル・スクールというホーリネスを標榜する神学校でした。この神学校は米国のウェスレー的アルミニアン神学の流れに属していました。このような経緯からCOGの神学はウェスレー・アルミニアン神学の中に位置づけることが出来ます。